2017年10月9日月曜日

「ふかし藷」15句 岡田耕治

ふかし藷  岡田耕治

木の実落つ子の敷物を訪ねいて
茶を淹れるこの秋郊に坐るため
朝に飲むひろめ市場の秋鰹
まどろみを枯蟷螂の目覚めたる
秋雨を弾いて開く傘の骨
秋日影眩暈のほどに揺れいたる
上履きを上履きに替え秋暑し
待宵の月を浮かべし対話かな
赤い羽根付けて挨拶長くなる
すぐ帰ることの善し悪し秋の暮
ゆっくりと歩くほかなき良夜かな
半分のもう半分のふかし藷
うろこ雲雲はどうしてできるのか
すぐ読める本と読めない本の秋
秋刀魚焼く排気フードを光らせて

*膳所俳句大会の会場からびわ湖を。

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