冬日向 岡田耕治
古い曲流れつづける秋の浜
実石榴の絵の具が匂い始めたる
出来るだけ大きく回し芋の露
石叩き小さく見えるよう進み
数珠玉のブレスレットを光らかす
もう一度戻っていたる茸かな
月光のじっと頭を動かさず
教室から教室が見え神渡
溜め息の大きな人と冬を待つ
目の玉を濡らしてよりの銀杏黄葉
大根洗う肩の力を抜いており
逃げ方を考えている冬日向
福島県只見町三句
色変えぬ松百年に触れており
冬を待つ山村留学生の長靴
赤蜻蛉カチッと翅を抑えけり
福島県只見町のダム湖にて。
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