「香天」は、今年10周年を迎えます。写真の皿は、記念に六林男師の自宅に伺って撮影させていただきました。十周年といいますと、俳句誌の中ではまだ「幼木」の内に入るのではないでしょうか。「幼木」には、希望と、それ故の不安が綯い交ぜになっています。しかも、「一本」ですから、他の木とは離れているようです。それが、どの木よりも早く赤赤と紅葉しているのです。昨年、柿衞文庫で「鈴木六林男人と作品」というお話をさせていただいたとき、鈴木六林男年表を作成しました。八五歳の生涯で師が戦場にあったのは二年余りです。しかし、年表を少しずつずらしていくと、二四歳の生涯にして、二年余りの強烈な体験が刻まれたことになります。まさに「幼木にして」。
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