ストーブ 岡田耕治
高知八句
後ろから見て冬晴の龍馬像
嫁が君隠されている階のあり
脱藩の道に出ており若菜摘
ストーブと女が点り朝の市
土佐文旦一気に袋ふくらみぬ
ドロメ食う口の方から近づいて
雲の上のまちに降り立ち鳥総松
初旅や終末をみな黙りたる
*
祝箸何度も落とす軽さにて
仕事始プラットホームの定位置に
思うほど時間のかかる初荷かな
玄関や「雪」という声上りたる
耳たぶを赤くしている波の花
約束の刻より早く着く寒暮
ストーブやここだけのこと話し出す
福笹を掲げて笑みを隠しけり
心拍を速くしている氷柱かな
*高知県梼原町にて、現代の龍馬さんとともに。
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