百千鳥 岡田耕治
啓蟄の一週間を見通しぬ
入校の制限をして初音かな
春光のステンレスへと投函す
何も置かぬテーブルの上風光る
春の昼二回に分けて出てゆけり
昼酒を呑むことになる目刺かな
たるんだり縮んだりして春コート
この中に確かあるはず山笑う
新しい意思が超えゆく春の水
冴え返るガラスの中のガラスにも
言うことがころころ変わり春炬燵
春の水飲んでタンクの酒飲んで
臥龍梅先に理由の決まりけり
百千鳥覚えたことを取り出しぬ
連翹に迎えられたる遺骨かな
3月24日、上六句会のホテルアウィーナ大阪にて。
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