「小熊座」八月号。もの置かぬ部屋は、どうして生まれたのでしょうか。一つの家にも、大勢の家族が暮らす時代から、一人また一人と減っていって、とうとう一人になってしまう時代が訪れます。そこにもの置かぬ部屋も現れるのですが、特に電灯を点けることもありません。しかし、風を通すために一日一度は窓を開けます。そこにほととぎすが、急くようにくぐもるように鳴きはじめました。時に、ホットキギギス、ホットキギギスなどと聞こえてきます。命を置かなくともよくなった部屋に、命の声が通い始めました。
*大阪教育大学天王寺キャンパスにて。
0 件のコメント:
コメントを投稿