一期一会ここに西瓜を食うことも 大津留公彦
混むには少し早い時刻、スタンドバーで隣りになった男性が、畑で西瓜を作っても家族は食べようとしないとつぶやいていました。小さい頃、父が大きな西瓜を切り分けてくれた場面を想い起こしますと、そこには家族がいて、近所の友だちがいて、その場で食べ合った顔ぶれは、その時限りでした。まさに「一期一会」、茶会のような改まった場でなく、西瓜を食べるという暮らしの一コマでも、一生に一度だけの機会なのだと、一句は教えてくれています。
*大阪教育大学天王寺キャンパスにて。
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