2018年9月14日金曜日

桃の香を殘せしままに爪を切る 祐(牧内登志雄)

桃の香を殘せしままに爪を切る 祐(牧内登志雄
 俳句大学。爪を切るときというのは、一息つくときであることが多いのではないでしょうか。同じように、桃を食べる時間も、一日の内ではリラックスできるひとときです。ナイフは使わず、爪で桃の皮を丁寧にむいて、そのままかぶりつくようにして食べますと、下に敷いた新聞紙に果汁が零れます。そんな、ありのままの食べ方をしたものですから、爪にはまだその香りが残っていたのです。こんなひとときがあれば、生きることもまんざらではないと思えてきます。

*池田市石橋にて。

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