きのうから戀をしている豆ご飯 久保純夫
句集『HIDEWAY』。句集名のハイダ・ウェイとは、隠れ場所という程の意味で、純夫さんの場合は、例えば集中して俳句を作るためのホテルのバーなど。20章から構成された本書のどの章にも純夫さんが愛したホテルの名前が使われています。この句は、「白雨とインターコンチタル」所収。誰に恋したのか、何に恋したのかは書かれていないので、それを想像する楽しみを味わう間もなく、豆ご飯が供されます。日常の暮らしの、あらゆるものに関心を向け、愉しみながら、ハイダ・ウェイにて俳句にしてしまう、そんな最近の純夫さんの姿が彷彿とする俳句です。出張で鳥取に来ていますが、その往路、薄っぺらいけれども読み応えのある本句集を味わいました。
*鳥取県倉吉駅前にて。
0 件のコメント:
コメントを投稿