2018年9月7日金曜日

水馬ときどき匂う宇宙かな 久保純夫

水馬ときどき匂う宇宙かな 久保純夫
 句集『HIDEWAY』。あめんぼうが水面に足を張って、時に水面を滑るように進んだり、跳ねたりしています。その度に空気が揺れるように、匂うように感じられるのでしょう。それは、水馬と作者をつつむ宇宙が匂ったのだと、捉え方が解放されていくようです。バタフライ・エフェクトという言葉を最近知りました。小さな蝶のような揺らぎが、全体を変革していく大きな揺らぎに繋がる、と。水馬の滑走や跳躍がこの宇宙と繋がって、人類の加速を減速に転じてはどうかと、匂い始めているようです。

*鳥取県倉吉市にて。

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