草の名も少年の名も聞かず夏 今井 豊
「いぶき」第2号。社会構成主義という考え方においては、「私たちの関係性」によって、私たちの世界は、私たちが「木」「太陽」「身体」「椅子」などと捉えているもので満たされるとされています。もう一段踏み込めば、草の名前、少年の名前などなどによって、この世界がつくられているのです。作者は、その一段を踏み込む手前、「草」「少年」という段階で、その生命力を感じ取ろうとしているようです。名前を聞かないほどの距離によって、対象そのものを感じ取ろうとする、まさに「夏」に相応しい感じ方です。
*秋田県角館にて。
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