ノンアルコールビール 岡田耕治
札幌6句
猫の恋時計台には長く居て
陽と陰を際立たせたる春の雪
複式の学級わたり春の風
雪の果へき地校から戻りたる
着陸の耳が出てゆく春日向
空港のリムジンバスの春の闇
*
寝返りをうって芳し春の草
春眠くなるほっぺたを赤くして
目を細め近づいている風車
落ち着いた口調になりて春休
紙風船先にほっぺを膨らます
本を読む速度を落とす初音かな
絵葉書の旅が始まる鳥曇
三月の雪が重たく降り出しぬ
ノンアルコールビールはきっと春の季語
*岬町小島にて。
0 件のコメント:
コメントを投稿