茅花原 岡田耕治
ストローを離れずにありしゃぼん玉
つなぐ手と反対の手に水温む
みずからの色に浮き立ち桜鯛
ソフト帽おさえて来たる春疾風
蜜蜂になって一刺していたり
わが靴のはじめに乾き春の泥
黄水仙一人暮らしを始めたる
少しだけ泣きそうになり茅花原
春の海目には見えないものあふれ
目的の生まれてよりの紋黄蝶
蟻穴を出でて記憶を取り戻す
フリージア良い文章の揃いたる
地虫穴を出ては授業の止まりけり
心拍の落ち着いてくる春うれい
巻尺を音立てて閉じ四月来る
*りんくうタウン「スターゲイトホテル」にて。
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