2019年10月9日水曜日

ちるとなく散りとめどなく散る桜 片山由美子

ちるとなく散りとめどなく散る桜 片山由美子

『飛英』角川書店。「ちるとなく散る」という時間と、「とめどなく散る」という二つの時間が重ねられています。 この重なりは、なんとか目の前を散ってゆく桜、その手応えを象徴したいという思いから生まれたのでしょう。 目の前には「ちるとなく散る」桜があるばかりですが、それは「とめどなく散る」時間の中で浮き立ってきます。 このように静かに浮き立ってくるのは、命を愛しむ作者の構えから生まれてくるにちがいありません。第六句集『飛英』 の御出版、おめでとうございます。
*四天王寺にて。

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