秋の木のたふれ立派な木と言はる 鈴木牛後
『にれかめる』角川書店。昨年の台風21号は各地に大きな被害をもたらしました。大きな木といいますと、大阪城公園の銀杏の木が何本も倒れてしまいました。「木を見て森を見ない」という言葉がありますが、私たちは森を見ているけれども一つ一つの木を見ていないことが多いのではないでしょうか。風雪に持ち堪えられずに倒れたとき、はじめてその木を見るようになった瞬間が書かれています。大きな木は、その時、一回限りの姿を現しているのです。このような張りつめた視線が、本句集に貫かれています。鈴木牛後さん、御出版おめでとうございます。
*大阪府松原市にて。
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