2020年4月16日木曜日

頑として火鉢の肩のなだらかに 石井 冴

頑として火鉢の肩のなだらかに 石井 冴
 火鉢のなだらかさは誰もが認めるところでしょう。ところが作者は冒頭に、「頑として」という強い言葉を置きました。「頑としてなだらか」、この二つの矛盾する要素が、暮らしの中心をなす火鉢を象っているのです。頑とした父となだらかな母というイメージが一般的ですが、場合によっては逆かも。いずれにしても、暮らしの匂いのする秀句です。
*大阪教育大学天王寺キャンパスにて、ハルカスが隠れています。

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