2021年4月23日金曜日

耕治俳句鑑賞 桑本栄太郎、十河智、野島正則

引き受けるまでを見ており松の芯 耕治
 何を引き受けるのでしょうか?小生は先生が指導される学生の将来についてであると想いました。春夏秋冬の季節は忘れる事無く訪れるものの、人生の岐路となる事は、毎年4月の今の時季であるからです。「松の芯」との季語が成長の早い人の人生をも思わせます。
(桑本栄太郎)

引き受けるまでを見ており松の芯 耕治
 松の芯、見張り台に立つ兵のように、全部見られている感じありますね。庭の案外話も聞こえそうなところで引き受けろと言われる姿、それを、松の方からの視点で書いているのです。いつも部屋から眺める視線を、松の芯から逆に向けられているという発想が面白く、ありそうなのです。
(十河 智)

紫木蓮深き花瓶を選びけり  耕治
 近所の紫木蓮が、見頃です。「つぼみを生ける」という習慣や流儀がいけばなには生かされていますね。蕾から花開くまで、それに似合う花瓶。教育者の立場からみれば、蕾は学生、育てる器は学校という花瓶になるのかもしれませんね。
(野島正則)


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