香天集6月13日 岡田耕治 選
玉記玉
奔放な髪が疲れるみどりの夜
リフレッシュ休暇トマト三個分
枕から昼の鳴き砂夏惜しむ
時映す鏡に蛇を祀りおり
柴田亨
夏の光脱いで寄り添う百済仏
縦横に世の果てからのつばくらめ
西日満ち東天淡く染まりけり
囀りの止んで群青拡がりぬ
三好つや子
新樹光鳥のことばを訳す子よ
脳すこし浮いてる八十八夜かな
木耳に誘われている暇はざま
走り梅雨からだにふっと火打石
中嶋飛鳥
サングラス火種の一つ明らかに
虹の脚げんこつ合わせ乞う暇
たまゆらのカミングアウト緑の夜
青水無月くすり指より疲れ来る
小﨑ひろ子
紫陽花の蕾どこまでも緑
風入れてシャツのふくらむ夏の前
喜びて視る木の花の名を知らず
鴨集う豪雨のあとに中洲あり
櫻淵陽子
検温器反応しない夏夕べ
西日中相槌を打つ君のゐて
顔晒すキャンプファイヤー流れ星
山小屋の壊れたままの扇風機
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