牧内 登志雄
日本列島が豪雨と冷たい秋の風に包まれた八月十五日に「桐一葉」の句。大戦で亡くなった方への鎮魂の一葉だろうか、混沌とした社会への不安との決別の一葉だろうか。書かないことを決め自らの心を整理し、筆を持つ。だからこそ、書かれる文字に心がこもり、読む人の心を打つ。
仲 寒蝉
ああ、これが俳句の極意ですね!
十河 智
「何を書かないかを決める」
およそ私のやってきた言葉の扱い方からは、想像がつかないこと。
言葉は伝えるためにあり、わかりやすくきちんと伝わるように表現する。何を書くかを決めながら文章を書いてきた。相手を見つめその人に必要な言葉を選んで書いた。1つある全体の、白い部分か斜線部分かなのであろうが、その姿勢から生まれるものはかなり違うと、俳句をやって、わかりかけている。私の欠けている詩情というものと関係ある気がしている。
大関博美
「桐一葉」という季題はとても苦手で、何を詠んで良いかわからない、グーの音も出ない。季題に向う時、季語の力を信じて活かす、説明しない、手垢のついたことばは使わないなどの鉄則がある。これを心がけるのは難しいのだが、とても大切。 饒舌は禁。沈黙は金なのだろう。「何を書かないのかを決める」も、俳句を詠む時の大切なポイントとして、心がける様にします。
0 件のコメント:
コメントを投稿