2021年11月21日日曜日

潤目鰯午後から風の出てきたる  耕治

 
桑本栄太郎
 日本列島を急激に大陸の寒気団が被い、不安定な冬独特の天候ですね?。午前中は日が差し暖かくても、午後には風が出て急激に冷えて来る変わりやすい天候です。
 御句に、未だ目が濡れているような目刺しが一瞬に想われ、今夜は熱燗で一杯遣りたい心地です。

大関博美
今日は、魚屋さんで「潤目鰯はどう、」なんて声を掛けられて
晩酌のあてに買って来た。七輪なんか出して、支度をしてると
風が出てきてしまった。
「レンチンにするか?」思案
しかし、ね〰。「潤目は、火で炙らなきゃ」って、独り言。
風向きも煙の量も気にはなるが
ごめんなさいと呟くのである。

十河 智
 鰯の漁に出て、朝の内に帰港。午後からの風。漁はもう終わって、安心して風の強さを感じている。智

大津留 直
 この句を拝読すると、風があの干物にした鰯の独特のにおいを運んでくるように感じられるのが不思議です。すると、今日の晩酌の肴は、鰯にしようと思えてくる、これも不思議なことです。

仲 寒蝉
 二物衝撃というか二句一章ですね。潤目鰯と午後からの風と、絶妙のバランスです。この風は海から山の方へ吹くのでしょう。

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