香天集3月13日 岡田耕治 選
柴田亨
詩集読む男は痩せてゆけり春
更地にてちちはは集う月おぼろ
裏町の佐伯祐三春ともし
冬の土暗きふところ夢結ぶ
三好つや子
これまでとこれからのこと梅ふふむ
どこまでが右なのだろう鶯餅
母だけに見える町あり春夕焼
白いちごジェンダーフリーの転校生
牧内登志雄
地獄絵に吾もゐたるか花樒
二日酔い巡る脳内桜まじ
抱きしめてあげたき人や雪の果
高射砲台座遺りし花見土手
小島守
休憩を取らねばならぬ苜蓿
春寒し二十分ならここで待つ
自答から自問を揺らし春の風
酒を飲む春の夕日を遮らず
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