2023年10月8日日曜日

香天集10月8日 三好つや子、嶋田静、川村定子、秋吉正子ほか

香天集10月8日 岡田耕治 選

三好つや子
蜻蛉の影が蜻蛉追いかける
さりげなく異見をはさむ秋扇
つじつまの合わぬ一日よ梨の芯
長き日のときどき訛るラジオかな

嶋田 静
パッと開きパッと消えゆく大花火
七色の花火の消えてゆきし闇
空き地への風に誘わる蜻蛉かな
秋の虹囲まれている嬉しさよ

川村定子
自販機の音にちちろが鳴くを止め
聞き慣れぬ単語を放つ芋煮かな
風の無き夜に散りゆく百日紅
千年の闇をまばらに秋日影

秋吉正子
間引菜よ朝昼晩と食べ尽くす
いつまでも拗ねているなり青レモン
秋夕焼全速力でペダル漕ぐ
電動で登る坂道秋暑し

牧内登志雄
青々と栗の毬立つ反抗期
ハロウインの南瓜が笑ふ焼鳥屋
秋霖や衣の重き僧の列
鎮守への標となりぬ曼珠沙華

中田順子
吊り橋を後ずさりする秋の川
夏長し秋を忘れているほどに
港からはじまる赤い羽根募金
秋しぐれ急ぎ駆け込む寺のあり

北岡昌子
秋の空船と飛行機交差する
秋の朝水面に白い雲浮かべ
運動会塀越しに見る親のあり
黄金虫生きてるように横たわり

大里久代
コスモスや色とりどりに背を競い
金木犀漂う香り上等に
秋祭太鼓に腹を踊らせる
畦道の一輪差しの野菊かな

西前照子
赤とんぼグランドゴルフ悠悠と
すすきの穂窓から見える屋根のあり
秋の海近づいてくる淡路島
二人にて銀杏匂う御堂筋

野間禮子
スカーフのサイクリングや秋の空
十五夜の見よう見まねで作るあん
秋を行く脳梗塞の後の一歩
はいポーズ孫とばあばの秋の水
*岬町小島にて。

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