2016年4月25日月曜日

「一級」 岡田耕治

「一級」  岡田耕治

一級をめざしていたる朝寝かな
今飲んだ水を響かす春の川
春苺シフォンケーキが包みたる
誰よりも先に着きたる春の土
リクルートスーツに皺の走りけり
黒色の華やいでいる春日傘
蝌蚪の国ことに時間が欲しくなる
朧月胸に抱きたるものの熱
春灯の瞬き一つめがけゆく
鳥たちの声止んでいる干潟かな

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