2016年8月15日月曜日

「砂丘」15句 岡田耕治

「砂丘」 岡田耕治

砂時計落ちゆく速さ秋に入る
蜩やひたむきに鳴きはじめたる
休日の学校に来て草の花
蚊を打って己が血潮に染まりけり
  鳥取砂丘 十一句
半ズボンことに吹かれて砂嵐
砂丘の夏あんな小さな人となる
風紋を象っている夕焼かな
降りかかる砂の白さと秋に入る
秋暑し砂丘の底にたどり着き
真っ直ぐに傾いており秋の砂丘
後から後から砂流れ出す秋の朝
秋の砂立ち止まるたび眠くなる
秋風の句碑に秋風通いけり
秋光の砂舞い上がる影絵かな
記憶せん二十世紀を切り分けて
*鳥取砂丘で見つけた砂の上を走る自転車。

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