香天集10月23日 岡田耕治 選
谷川すみれ
冬の鯉深き眠りの口を開け
竜の玉私は母の形見なり
白菜のひとつ置かれて静かなる
雨の日の愛しきものに寒鴉
宮下揺子
砥ぎ味を確かめるためトマト買う
秋暑し修正液で嘘を消し
大西日ドクターヘリの飛んでくる
秋寒や別人となり寝て起きる
永田 文
点滴の窓を流れて秋の雲
葡萄棚出てより空の深くなる
村中の音に匂いに豊の秋
鬼やんま水の匂いの岩つかむ
中辻武男
秋場所や浪速の力士土付かず
珈琲とあんパンが好き秋の朝
バット提げ親子で帰る秋の暮
さわやかに枝打ち払う男かな
岡田ヨシ子
鰯雲旅終えし機が空港へ
小鳥来る空に消えたり朝の飢え
健康や米寿祝の今年米
この道はいつか来た道彼岸花
*鈴木六林男作品展が行われている岸和田市立図書館。昨日、上六句会・みさき句会合同で、作品展の見学と句会を行いました。
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