2016年10月31日月曜日

人間の名前をもらい案山子立つ 石井冴

人間の名前をもらい案山子立つ 石井冴
 香天集10月30日。稲が実りだして長く田にある案山子に、一つずつ名前を付けました。名付けたのは、子どもでしょうか。名付けられることによって、案山子というものと人間との境界が揺らぎはじめます。単に標(しるし)としてそこに刺されてあるのではなく、人としてのまなざしや匂いが稲を守っている、そんな温もりを感じさせてくれる一句です。
*泉佐野市内の刈田。今年藁の匂いがしています。

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