手をつないだりタンポポ握つてゐたり 久里順子
句集『風景』邑書林。静かに呼吸すること、静かに日常を見つめることの豊かさを伝えてくれる句集が誕生しました。びっくりしたり、ハッとしたりすることではなく、作者のまなざしを愉しみながら読んでいくことができます。手をつなぐこととタンポポを握ることをこのように置かれますと、実は手をつなぐことそのものにとっても価値があるのだということに気付きます。どうしても、手をつなぎ、次に唇を求め、体を求めとエスカレートしてしまいますが、手をつなぐことの中に全てがあるのだと、一句は静かに語っています。順子さん、いい句集の御出版、おめでとうございます。
*大阪教育大天王寺キャンパスのベンチです。手をつなぐことも可能です。
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