久堀博美
秋風や鼻につながる耳と喉
抉れたる山肌映し秋の水
変りゆく街の風景鬼やんま
長き夜の笑えば泪出でにけり
中嶋 飛鳥
秋の空目薬の木を一揺すり
鶏頭花ときに女の貌を見せ
拾うても拾わなくても木の実降る
秋深む祇園舎の鐘背後より
中村静子
蟷螂のまなこを雲の溢れけり
ぶつかって一声を出す夜の蝉
酔芙蓉一番星の揺らぎけり
鼻唄の近づいて行く星月夜
羽畑貫治
開け放つ形に抜けて土用東風
百日紅愛しき肌の匂いけり
狗尾草南海トラフ近づきぬ
老いてなお食欲あおる茸かな
*久しぶりの晴天が、10月7日8日と。
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