2017年2月17日金曜日

花にまだ間のある雨に濡れにけり 久保田万太郎

花にまだ間のある雨に濡れにけり 久保田万太郎
『久保田万太郎全句集』桜はまだまだ開きませんが、その蕾は空に向かっています。桜の咲くまでの時間と、降り出した雨の今との間(ま)が、絶妙です。「菊池寛逝く。…告別式にて」との前書きがありますので、ともに活動した先輩の止まってしまった時間が、このような句を生み出したのでしょう。万太郎は、下町の生活と情緒を愛し、好んで市井人の生活を描きましたが、それが菊池寛にも通じていくようです(後に菊池寛賞を受賞)。
藤井寺市立道明寺小学校の桜の木。

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