2017年2月19日日曜日

香天集2月19日 石井冴、谷川すみれ、立花カズ子

香天集2月19日 岡田耕治 選

石井 冴
綿虫や周りの音を消していく
綿虫の浮いては沈む瞳かな
綿虫やうちには連れて帰れぬと
綿虫の浮くにも力要るらしく

谷川すみれ
鳥帰るひとつの大きな鳥となり
白梅の無音の空を切なくす
春炬燵二人になれば火を消して
言霊の深きまでゆく春の風邪

立花カズ子(1月)
年詰まる吾そっくりの遺影かな
猛吹雪ひと呼吸置き突っ走る
ボール蹴る声のひびきて空っ風
癌治療話す知人の冬の月

立花カズ子(2月)
女子走者梅の香りをまとい来る
朝から春の日差しが部屋に射す
物置の埃にまみれ遍路杖
方丈へ梅の香りを満たしけり

*豊中市ステップホール。リビングライブラリーには40名の参加者。

0 件のコメント:

コメントを投稿