蚊遣豚滅ぶ滅ばずエンゲルス 松田ひろむ
句集『一日十句』第三所館。「蚊遣は無くならないが、それを入れておく陶器の豚は、近々消滅するよ」。「そうかなあ、この豚は懐かしい形だし、使い勝手もいいぞ」。「蚊遣がマルクスなら、この豚はエンゲルスさ。マルクスの思想は残っても、それを分かりやすく解説したエンゲルスは消えるのさ」。「いや、エンゲルスの伝え方は、今さらながら注目に値するよ」。そんな会話が聞こえてきます。さまざまな会話の聞こえてくる句集ですね。ひろむさん、御出版おめでとうございます。
*「多奈川」は、終着駅であり、始発駅です。
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