草の花 岡田耕治
いつまでもあり学校の蝉の穴
レース編む静かな息と向かい合う
生ビール最初の泡を溢れさす
有名な芋焼酎を囲みけり
締切に張り付いている蜥蜴の子
何回も顔を合わせて秋に入る
台風が近づいている飲用水
台風の畳を転げ回りたる
秋の水昼間から飲む酒に添え
秋の蚊やシャツの上から刺してくる
分数につまずいているちちろ虫
太刀魚や早く帰れと命じられ
ナガサキの路面を濡らし天の川
磨かれたグラスに移り草の花
秋晴の畳の上へ帰りけり
*岬町小島にて。
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