2018年1月25日木曜日

雑煮椀いつも問われし餅の数 久保純夫

雑煮椀いつも問われし餅の数 久保純夫
「儒艮」二三号。三世代が同居して、十人が同じ屋根の下で暮らし、母親からよく「餅いくつ食べる」と聞かれました。大きくなってからは、私がみんなの餅の数を訊いて回りました。餅が何よりのごちそうだった時代、正月が来る度にそれぞれが食べる餅の数を訊いていきますと、その数から一人一人の状態が感じられるようでした。ちょっと大ぶりの、雑煮椀を前にして、昭和の三〇年代以降の暮らしが甦ったのです。

*大阪教育大学柏原キャンパスにて。

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