2018年2月10日土曜日

さかしまにさえずるさえずるさみしいか 夏井いつき

さかしまにさえずるさえずるさみしいか 夏井いつき
「俳句」二月号。雲雀でしょうか。勢い良くさえずりながら天に昇ってゆき、今度は逆さまになって落ちながらもさえずりをやめません。さえずるさえずると繰り返すほど、そのさえずりには熱狂が宿っているようです。でも、そこでいつきさんは、「さみしいか」と呼びかけます。その呼びかけの中に、さえずることが幸福ですか、さみしくはありませんかという響きがあって、巣に戻ろうとする雲雀を慈しんでいるようです。

*大阪教育大学天王寺キャンパスにて。

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