蒲公英と絮の間に立ち会いぬ
羊羹のなかなか減らぬ二月かな
一日やただ花種を選びたる
水温むすぐに泣き出すようになり
一つだけ嘘の混じりて鳥雲に
春の雲用がないから黙っている
覚めてから速度の落ちる春の夢
春の波どこかに紛れ込んでいる
年齢の順に並びて春の馬
新宮六句
初桜老いゆくことを頼りとし
春日影むき出しになる鉄路かな
きさらぎや健次の文字の詰まりたる
新宮の日輪としてかぎろいぬ
木造の春を響かす体育館
春の便り宮﨑駿より来たる
ぶらんこを漕ぐ腹筋のありにけり
遠い日のことをたのしむ雛あられ
もぎ取りし春椎茸を炙りけり
*新宮市立神倉小学校にて。
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