2018年9月12日水曜日

まず濡れて溶けゆく砂糖年つまる 原ゆき

まず濡れて溶けゆく砂糖年つまる 原ゆき
 第十回船団賞受賞作から。紅茶かハーブティーか、透き通る飲み物に角砂糖と沈め、スプーンを使わずに眺めることにします。「まず濡れて溶けゆく」様子は、自分自身の姿でもあります。形あるものは、いつまでもその姿を保つわけにはいきません。まして、年つまる師走、時間の早さが感じられる日々です。ゆきさんの魅力は、その早さの中で、この句のようにゆっくりとした時間を持てることでしょう。

*榊原温泉口駅にて。

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