ゆらぎ 岡田耕治
金木犀体の向きを整えん
立って書く原稿のあり七竈
後の月小川国夫の散歩道
露けしややりたいことをやり続け
いつもより遅く出て行く薄かな
秋思なお手帳から目を離したる
数本の泡立草が来て空地
大きな靴大きな鞄紅葉踏む
刈られたる丘の露わに残る虫
付箋紙を増やし植物図鑑「秋」
秋夕焼あとひと駅を目瞑りて
湯豆腐やこの身の力呼び覚ます
自らの姿を隠し秋の声
蟷螂の斧絶え間なく試みて
秋蝶の消えて残りしゆらぎかな
*大阪教育大学柏原キャンパスにて。
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