2019年1月28日月曜日

「寒昴」12句 岡田耕治


寒昴  岡田耕治

口縄と名のつく坂のしぐれけり
遅れたる人を迎えて冬の梅
雑音の中を一筋霜の声
告げんとす寒夕焼の高さにて
寒梅を入れて思考を深めけり
モノクロになって寒中見舞着く
顔の皺増やし鏡の春隣
失敗を繰り返しては息白し
冬林檎手にした者が話し出す
どこにいたこんな大きな寒の鰤
霜の声生家に帰ること残り
寒昴車で暮らす人のこと
*大阪市内にて。

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