牡丹雪 岡田耕治
桜貝指から握りしめてゆく
ひとりでにこみ上げてくる春の潮
春の海この目を閉じて持ち帰る
春風の後ろへもたれかかりたる
春光を浴びし希望を切り出しぬ
口笛を重ねて行けり猫柳
白木蓮元気になってから見舞う
初めての人と来ている黄水仙
牡丹雪抱いて抱かれしことのあり
新しい感性と居て浮氷
春は曙弁当箱を入れたかと
体育館の三角すわり冴返る
待たされることを嫌がり春の蠅
横向きになってから見えシクラメン
姿勢良く眠りにつきて春障子
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