春休 岡田耕治
啓蟄の一人ひとりのオノマトペ
春日向遊びどころを見つけたる
あれだよと指さされたる初音かな
失敗をよろこび合いて揚雲雀
たんぽぽの高さに同い年となる
機嫌良き人を訪ねて春の蠅
沈丁花定刻にドアノックさる
よく笑いよく冷えている蕨餅
風船を集めて胸を軽くする
ため息のふくらんでいる石鹼玉
凧よりも遠くを見ておりぬ
中心はほうれん草の卵焼
スプリングコートの背中叩きけり
潮干潟猫の仕草をして渡り
はっきりと頷いてより卒園す
春休震える電話そのままに
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