2019年6月2日日曜日

「鈴木六林男邸」12句 岡田耕治

鈴木六林男邸  岡田耕治

  鈴木六林男邸六句
大勢のはじめは二人燕子花
夏兆す六林男の椅子の傾きに
青葉闇透かし書斎として残る
三鬼の字小さく残り薄暑光
亡き母に似てくるという顔涼し
一匹が引き返したる蟻の道
ここにない人を集めて麦の秋
目的を変えてレースを編みはじむ
風薫る牛一頭を買う話
竹皮を脱いで人事のサプライズ
パン一つ食べて代田に映りけり
買い物を減らす暮らしの苺かな
*鈴木六林男邸にて。

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