2019年7月6日土曜日

「立ち台」12句 岡田耕治 


立ち台  岡田耕治

近道のよく茂りたる夏草よ
水茄子や手で割くための刃を入れて
原因を宿していたり日向水
風鈴や二回目がすぐ始まりぬ
卓球のはだけてしまう浴衣かな
歯ブラシがコップを鳴らし夏の宿
箱庭や暗くなるまでそのままに
夏の月喉を濡らしておりにけり
心太三杯酢まで飲み干して
井戸の瓜空から覗く顔のあり
休憩を取らねばならぬ五月闇
立ち台の警察官の宵涼し
池田市立北豊島中学校にて。

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