2020年5月23日土曜日

「詩片」12句 岡田耕治

詩片  岡田耕治

燕の子顔から顔へつながりぬ
緑さす水を一本たずさえて
浅くとも長く眠れり夏蒲団
夕立や初めて人と口を利き
絶え間なく水を点して祭の夜
短夜の夢の中から走り出す
灯明や五月の風に養わる
噴水を押さえ込みたる力かな
新緑のここを落ち着き所とす
冷蔵庫ドアに詩片の貼られたる
苦き日を西日のうちに送りけり
真上から泡立てて注ぎ冷し酒

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