2020年11月17日火曜日

「命の話」12句 岡田耕治

命の話  岡田耕治

密になる小さな電気ストーブに
師の文字の前に出ており冬日影
鯛焼の温み手渡すだけとする
中空へ放りて届く冬林檎
息白く命の話していたる
かぶりたる毛布機をみる形して
本を読む少年といて白障子
空っ風平行線を保ちたる
坐る位置ずらして囲む炉明りよ
冬の雲共に思いをめぐらして
落葉降る間落葉に留まりぬ
人を待つ時をさずかる時雨かな


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