2021年7月9日金曜日

空腹の胸に満たせる若葉かな  耕治

 
大津留 直
 詩人の胸は、いつも、どこか「空腹」なのだと思う。そのことを自覚したとき、ふと、木々の若葉がそれを満たしてくれる、ということが起きる。まさに、そのような「奇跡」とも言うべき詩の原点を指し示した御句だと思います。「空腹の胸」という措辞には、しかも、俳諧独特の軽い諧謔が含まれている。

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