2021年8月5日木曜日

弁当の最後に枇杷の黄を詰める  耕治

 
桑本 栄太郎
 美味しそうな弁当とは、見た目にも色彩豊かですね?梅干しの赤、玉子焼きの黄色、ブロッコリーや葡萄も入れて緑、焼肉も入れて茶色などがありそうです。枇杷の黄色とは思いつかない発想ですね!

十河 智
 お弁当、母の時代は、おかずがあれば上等な方で、私の中学高校のときのお弁当は色がなかった。運動会や遠足のときだけ特別、でも色を詰めるというよりご馳走だったので、たまたま卵焼きが黄色、梅干しが赤だったのだ。私が子育ての頃は、幼稚園にもお弁当の日があったり、本やテレビ番組で、色を綺麗に見せるお弁当が流行りだした。林檎を一切れ入れるために買った事もあった。今日は、きゅうりやレタス、緑の野菜が先で、黄色が映えると、丁度いい枇杷を庭から取ってきたのだ。実は食べて味を確かめてはいないかも。ただそこには黄色と決めた、お弁当箱の隅っこのために。

大津留 直
 このような句は、作ろうと思って作れるものではない。まことに、「枇杷」という季語との出会いによって作らせてもらった句なのだろう。ご自分と奥様の日常をよく見ている結果であることも間違いないことである。

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