2021年12月4日土曜日

美しく仏飯を盛る寒さかな  耕治

 
十河 智
 昔を思い出します。うちでも、どちらの祖父母の家に行っても、その家の主婦が芸術的にもった「ご飯さん」を仏壇に持って行き供えるのが、私の仕事でした。釜で炊いた、ツヤツヤのご飯の最初の一掬い、母も祖母たちやお嫁さん方、みんな手慣れていて、上手でした。

桑本 栄太郎
 日毎に寒さが募る今の時季の朝の光景ですね?。朝炊きたての湯気の出ているままに、小さな器に盛り仏様のお供えとします。その後家族の朝食が始まりますね?子供の頃の朝は何時もこの様な光景でした。

岡田 登貴
 お仏飯をよく「ご先祖さまに上げる」とおっしゃる方がいますが、我が宗派浄土真宗では、あくまで阿弥陀様へのお供えです。そしてそのお供えは仏様に「上げる」ものではありません。
 仏様は円満充足しておられますから、なにも必要ないのです。お供えするお仏飯は仏様からのいただきもの。それを日々感謝するためのお供えと教えられています。
 また浄土真宗ではご先祖を「拝む」ことはいたしません。お仏壇にあるお位牌(うちでは作りませんが)や法名軸、過去帖は拝む対象ではなく、私たちより先に阿弥陀様に出合い、阿弥陀様に導かれたご先祖という御同朋の生きられた証です。
 ですので、感謝の印のお仏飯を美しく盛ることは、自分への励ましになると思っています。ふんわりと盛られたお仏飯、美しいですね。今日一日を頂いた感謝の心が現れています。

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