2022年2月27日日曜日

今週の2句 囀をたどり行きたる光かな など

 
大関博美
 久しぶりに散策に出た。囀りをたどってゆくと、木の葉の切れ目に光がこぼれてくるところに出た。キラキラとした春の光に包まれた。

大津留 直
 ドイツには、アムゼルというツグミに似た鳥がいます。春になると、佳い声でさえずります。人懐っこい鳥で、散歩に出ると、それを導くように、屋根から屋根へ移って、さえずります。御句によって、それを思い出しました。

仲 寒蝉
 この時期の外は本当に光に溢れていて「風光る」と言う季語を実感できますね。囀りをたどって散歩、なんて最高じゃないですか。百舌鳥古墳群のあたり、また散策したいです。

牧内 登志雄
 木立の中を歩いていると、あちこちで鳥の囀り。地鳴きとは違う求愛の鳴き声。春は鳥にも木にも、そして人にもやってきた。木立を抜ければ春の明るい日射しが眩しい。

野島 正則
 たどり着く、ではなくて、たどり行く。自分の意思のような物を感じました。

桑本 栄太郎
 春寒料峭とも云われ、暦の上では春と云っても未だ寒い日が続いて居りますね。しかし、日中の日差しも長くなり気分的には春物を装いたくなり、首周りには分厚いウール物ではなくシルク・ウールの薄手のスカーフを捩じって結びます。如何にも春兆す心情ですね!

十河 智
 春色、スカーフだけでも、という気持ちの表れでしょうか。春だぞという気持ち俳句をしている私達にはよくわかります。捩じり結びで春を大きく見せるのでしょう。

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