仲 寒蝉
若布のきらめきを「日光の記憶」とは・・・脱帽です。
十河 智
若布には気をつけろと海育ちでも、泳ぎの得意でない私はよく言われました。比較的浅い日の入る場所に林があるのです。この句の表現がぴったりです。光が届くか届かない、微妙な深さに若布は揺れているのです。ここで、「日光の記憶」とあるのは、海藻の中では緑の濃い若布の色を見るにつけ、「もっと光を、が若布の望みなんだろうなあ。」と思われたのでしょうか。
大津留 直
この句には、乾燥した若布を湯の中で戻したときの鮮やかな緑に対する驚きが満ちている。その湯の中での揺らぎを、かつて海水の中で浴びた日光の記憶が揺らいでいると見ているのだろう。
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