香天集1月8日 岡田耕治 選
三好つや子
霜降りて柔らかくなる家族かな
あなどれぬ母の手量り卵粥
鉛筆が聞きだす本音冬りんご
実南天話の隙を突かれけり
砂山恵子
わが顔に母似のえくぼ初鏡
糸舐めて通す針あな春を待つ
ネクタイに雪のにほひのする男
まづ蜜柑話たきこと多すぎて
垣内孝雄
七草や膳にいざなふ人の声
返り花嫌ひな者をやりすごす
まつたりと齢はりつく初暦
ひとてまを作句に取れり年の果
祐
旧姓で呼ぶ人とゆく晦日蕎麦
降る雪や山より届く鐘の声
訳ありの女と啜る葛湯かな
結界の扇子一本寄席初め
川端伸路
雪だるま雪のなかにはだれかいる
ぎょうれつのフェリーにのってお正月
冬休みたたみの上ではしゃいでる
あにきからかくれるこたつばれないよ
川端大誠
雪だるま日がさすころの石と枝
冬の月両手に荷物さげて行く
川端勇健
竹切ってあぶっていけば色深く
雪だるま足からじょじょにとけていく
*岬町小島にて。
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